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今回は首里手の突きの撃ち方についてのみ記載する。

その歴史やその他の流儀との比較はここでは行わない。

また、この理論は過去の映像・文献・伝承を基に研究、検証した結果

辿り着いたひとつの仮説に過ぎない事をここに明記する。

 

また以下の説明はいつも指導している当会の3つのキーワードを当て嵌めて

読み解かないと再現出来ないようなっている為、注意が必要。

首里手の突き


特徴として他の流儀より、速度を最重視している

 

接近手数で圧倒し敵を倒す理念と対局に位置する戦闘思想の基、

ジャブの速度でストレートの威力を求めた結果の辿り着いた一つの答えがここにある。

 

まずは速度を生み出す為の基本構造を表す。

 

一番イメージし易い鞭の運動で表現される事が多く、

理解しやすい 腕の運動のみを切り取って説明していく。

 

 

 

 

このように体内で壁に激突・反発させながら連続加速させていく。

極論すればこれが全てであり、この術理が身体全体で行われ、重心移動・重力落下が

伴えば首里手の突きとなる。

 

 

 

次に、

この運動を作り出すための実際の運動イメージを次の図に表す。

常識的に考察すればこのような方法に辿り着くはずだ。

 

 

 

 

実際に全力での首里手の突きは熟練者でも全力で撃てるのは3、4発が限度

と言われている。速度に筋が耐えられないからだ。

 

 

ではどの様にするのが正解なのか?

 

 

 

 

 

突きの方向に合わせた運動で激突、加速させる(長軸運動)。

この方法により肘関節への負荷が激減する。

  

勿論これだけではまだ不完全であり、図でいう上の壁と下の壁の幅を

可能な限り近付け(直線)、並列処理(時間軸)の概念が加味されて初めて

神速と揶揄される首里手の突きとなる。

 

 


【実技】手の内の操作に限定して解説する

では実際の操作の前に構造体として最も単純化した手の内の図を乗せておく。

また、補足すると

速さを求める運動において可動する一か所において与えられる動作は1つだけだ。

例えると、

どれだけ速く動かしても手首を右に動かしてる時、同時に左には動かせないからだ。

 

だからその動きは他の部位で補完する事で補う。

時系列順

①打撃ラインを理解しろ

 

これからの全ての部位にはこのベクトルが与えられている事を明記する。

②小指側が衝突運動を開始

 外旋の運動が発生する(この場合打撃方向から見て右回転)

 

 ほぼ時を同じくして親指側の運動が発生し始める

③親指側の衝突運動の激化

 内旋運動の発生(左回転)

 

 これにより右腕(右拳)に内旋と外旋運動を同時に顕在化させ、

 細く貫通力のある威力をうみだす。

 ただしこのふたつを打ち消しあう様に使ってはいけない。 

 

④衝突

 ここまでの操作でここから加速させる

⑤フォロースルー

 握り込みにより、高密度低体積体でダメージを与える

 

 打撃後、肘を抜き次打に備える

 

実際に②、③、④のみで打ってる動画がこちら



以上が掌の中で行われている操作だ。

同様の操作が他の部位にも存在することはもう理解できると思う。

 

 

 

                       以上

 

要約

鞭の動きは速くて威力も大きいが自分も壊す。